こんにちは、@ゆーせーです。
年末年始に南インドを旅してきました。
食文化、温暖な気候、騙してこないインド人などなど素晴らしい場所だったのですが、南インドのコーチンで見た伝統芸能・カタカリダンスが素晴らしかったので紹介します。
カタカリ・ダンスとは
カタカリ・ダンスとは17世紀ごろに誕生した南インド・ケーララ州で行われている伝統的な仮面舞踏劇です。
「カタ」は物語、「カリ」は舞踏の意味です。
つまりカタカリダンスとは物語のある舞踏を意味します。カタカリ・ダンスはインド4大舞踊のひとつで、セリフは一切なく、指の動きと表情(特に目の動き)でストーリーを語ります。
女性役も全て男性が演じ、かつては夜通し行われていたそうです。
演者は顔に派手なペインティングを施して豪華な衣装を身にまとい、表情を豊かに見せるためになんと目にスパイスを入れて充血させます。
この派手なペインティング(化粧)がとても日本の歌舞伎に似ています。女性役を男性が演じるのも共通点です。
物語は「ラーマヤーナ」や「マハーバーラタ」などのヒンドゥー教の叙事詩や土地の民話から取られたものが多いそうで、ほとんどの劇場でメイクアップの過程から見学可能です。
また演劇の前には顔の筋肉の動きや指先の演技で感情や心の動きを表現するパフォーマンスを見せてくれます。
コーチンにあるカタカリ・ダンスの劇場
コーチン市内には、カタカリ・ダンスの劇場が100軒以上あるといいますが、ここでは地球の歩き方に載っているメジャーな劇場を紹介します。
毎晩、たいていは18時頃から公演が始まります。しかし17時頃から始まるメイクアップからみることをおすすめします。
ケララ・カタカリ・センター
料金:Rs350
メークアップ:17:00〜
ダンス:18:00〜19:30
日本語のパンフレットあり
参考 ケララ・カタカリ・センターグリーニックス・ヴィレッジ
料金:Rs300
メークアップ:17:00〜
ダンス:18:00〜18:45
コーチン・カルチュラル・センター
料金:Rs500
メークアップ:17:00〜
ダンス:18:00〜19:00
その中で自分が訪れたコーチンのカタカリ・センターシアターは「ケララ・カタカリ・センター」と「コーチン・カルチュラル・センター」です。
最初に訪れたケララ・カタカリ・センターは入場料350ルピーで、演目は1時間半。
舞台の内装も凝っていて、BGMも録音ではなくその場で演者が弾きます。かなり本格的で痺れました。
次に訪れたコーチン・カルチュラル・センターは入場料が500ルピーな割には、演目も1時間と短いし、BGMも録音。
さらに舞台の内装も小さく、こじんまりとしており残念でした。初めて行くならおススメしません。
それではそれぞれの劇場のカタカリダンスを見ていきましょう。
ケララ・カタカリ・センターのカタカリ・ダンス
ケララ・カタカリ・センターは観光客が多く訪れるフォート・コーチン地区にあるので立地は抜群です。日中にコーチンの観光名所を満喫して、締めに楽しむことができます。
会場について
劇場は二階にあります。
規模も大きくて二段構成になっており2〜300人程度は入ることができる規模でした。
とても人気のあるシアターなので、立ち見すらできていました。
メイクアップ
17時よりメイクアップが始まります。
メイクアップはその日に演じる演者の数によりますが、自分の時は4人ほどがメイクアップしていました。
ここでメイクアップを自分でやることに驚き。絶対、他の人にやってもらった方が早くて正確だと思いますが、これも伝統の一つなんですね。
舞台でメイクアップするので、写真撮影するのにとても助かります。見やすいです。
途中からはアシスタントの方も出てきてメイクアップが始まりました。
最初はただのおっさんだったのにメイクアップでまったく雰囲気が変わるのがとても面白い。
また、演者の演じる役柄に寄ってまったくメイクアップが異なります。
歌舞伎のように女性役も男性が演じるので、女性役を演じる男性はすらっとした肌の綺麗な方な印象。
男性役はお腹の出たおっさんです。
補足:最適な座席について
ちなみにカタカリ・センターを見るならなるべく舞台に近い席の方がもちろんよく見えます!写真もうまく撮れます。
なのでメイクアップの時間よりも早くから訪れるのがおススメ。特にケララ・カタカリ・センターの一階の席は予約ないので狙い目です。
ちなみに舞台裏もチラリと覗かせていただきました。
リハーサル
18時からいよいよカタカリ・ダンスがスタート。
BGMは太鼓を持った奏者が演奏します。
そして最初は女方の演者が出てきて、顔の表情で喜怒哀楽を表現します。
途中からは体も使って感情を表現!
カタカリ・ダンスは、歌舞伎とは異なって一切セリフがなく、舞踊や顔の表情、手の動きですべてを表現していきます。
しかしその表現が大きな特徴になっており、とても見ていてひきこまれます。思わず体が前にでてしまって、カメラのシャッターをずっと切っていました。
カタカリ・ダンスめちゃくちゃいい!セリフがないのでみているだけで面白いのもグッドポイントです。
本番
リハーサルが終わり18時半からいよいよ本番が始まり!演者がまずは二人出てきました。
どうやら夫婦の設定
次に別の男性役が出てきました。スカートみたいなのを巻いているのは夫の本性を具現化したもの?
そしてそのあとは男性役の演者が二人!
ちなみに動画でみるとこんな感じです。
自分の理解力がミジンコレベルなのでまったく細かな内容はわかりません。
でも表現がダイナミックなので見ているだけで楽しいです。
ちなみに日本人とスタッフに告げると日本語の説明書きももらえますが、英語をGoogle翻訳に投げ入れたような意味不明な内容なのでまったく助けになりません。AIの進歩に期待。
この時にはケララ・カタカリ・センターのカタカリ・ダンスにとても感動したので次の日もカタカリ・ダンスを見ること決心していました。
では、次の日に訪れたコーチン・カルチュラル・センターのカタカリダンスを見ていきましょう。
コーチン・カルチュラル・センターのカタカリ・ダンス
コーチン・カルチュラル・センターはコーチンのエルナクラム地区にあり、マンガロールやトリヴァンドラムへの発着があるエルナクラム・ジャンクション駅近くなので忙しい旅行者にとって利便性があります。
自分も次の街に移動する前に訪れました。
大通りからは外れているので少し見つけづらいかもしれません。しかし大きな看板が目印。
劇場
舞台は二階にあります。しかしステージと客席はケララ・カタカリ・センターに比べるとこじんまりとしており、ちょっとしたステージという感じ。
インテリアもさほど凝っておらず、左右には大きなスピーカーが設置されており、これからBGMが流れます。
メイクアップ
17時からメイクアップです。このシアターの演者は二人なので、メイクアップするのも二人です。
メイクアップはどこのセンターでも同じですね。
自分で鏡と化粧道具を使ってメイクします。
リハーサル
18時からリハーサルスタート。
コーチン・カルチュラル・センターでもまずは女性役がでてきて、感情を顔で表現します。
この日の演者はケララ・カタカリ・センターの演者よりも、すらっとしているからかより美しく見えました。
とはいえ、メイクはほぼ同じなので、昨日と一緒の人じゃんと言われても不思議ではないです。
本番
18時から本番が始まりました。
ケララ・カタカリ・センターは3人でしたが、本日の演者は2人です。
また演目の時間もケララ・カタカリ・センターより30分ほど短い1時間です。
なので、もちろん演目の内容も異なります。
しかしこちらは女方が泣き叫ぶ悲劇でした。勢いはありました。もちろんセリフはありません。
こちらはこちらで面白かったですが、やはり舞台の雰囲気、演劇の時間、人数などどれをとってもケララ・カタカリ・センターの方が満足できます。
まとめ
ここまで見てきてもわかるように明らかに「ケララ・カタカリ・センター」の方が満足できます。
料金、内容ともに素晴らしいです。
また立地も観光名所が集まるフォート・コーチンにあるのでアクセスもとても楽です。
なのでよほど時間がなく、次に乗る電車の時刻が決まっているような方でなければケララ・カタカリ・センターに行きましょう。
他の劇場は残念ながら回れなかったのですが、コーチン市内には無数にカタカリ・ダンス劇場があるのでケララ・カタカリ・センターのような素晴らしい劇場ももちろんあるはずです。
そのほかにも、コーチンは海沿いの街で新鮮な魚介類が食べられるし、温暖な気候なのでオススメの場所です!