【秘境トレッキング】黒部峡谷の下ノ廊下1日目。旧日電歩道を歩く。

こんにちは、ゆーせーです。

10月の下旬に昔から一度は歩いてみたいと思っていた絶景ロードへついに行くことができました!

その名も下ノ廊下です。

だが自分にとっては日本屈指の最恐歩道でした!そう叫びたい!

下ノ廊下は黒部峡谷の大自然を身体で感じることができる絶景ロードです!が恐すぎる!

非常に美しい景色を二日間に渡って堪能することができたので二回に分けてご紹介したいと思います。

注意

黒部峡谷の下ノ廊下は登山道の中でも日本屈指の難易度を誇ります。上級者コースです。

道中は足を一歩踏み外せば数百メートル転落するウルトラハードモードな世界なので、十分に研鑽を積んでから歩かれて下さい。

下の廊下とは

下ノ廊下は黒部峡谷の核心部(中心部)にある断崖絶壁の登山道です。(ちなみに廊下とは絶壁に挟まれた深い谷を意味します)

残雪の影響で雪が溶けないと道が開けず、安全に歩ける時期も9月~10月の約1ヶ月から2ヶ月の間に限られています。

注意

その年の残雪や整備の状況により通行可能期間が異なる為、必ず情報を確認しましょう。整備状況によっては通行できない年もあります。

一般的には黒部ダムから仙人ダムまでの約16.6kmを下ノ廊下と呼びますが、その先の水平歩道の欅平まで含めて約30kmの道を歩きます。

ちなみに黒部湖から上流は「上ノ廊下」、さらに薬師沢小屋から黒部川の最上流までを「奥ノ廊下」と呼びますがここでは割愛。

本日の行程

扇沢→黒部ダム→下ノ廊下→十字峡→半月峡→仙人谷ダム→阿曽原温泉小屋

今回の記事では1日目の扇沢駅から阿曽原温泉小屋までのルート、いわゆる旧日電歩道の記事となります。

今回の登山メンバー

今回は一緒に下ノ廊下を歩いた登山メンバーも紹介したいと思います!

3人で歩いたのですが、自分以外のメンバーの方が登山経験が一回りもふた回りも上手で大変に頼もしかったです。

まずはお決まりのJOJO立ちで黒部峡谷に威嚇をかましてやりました!

まずはMさん、初夏に歩いた北アルプス表銀座縦走で運命的な出会いをした生粋のアルピニストです。

生粋のモンベラー、あるいはモンベリストであり、車やスマートフォンにまでモンベルステッカーを貼るモンベル教の信者です。クレカもモチロンモンベル。本人はスイスにある海外のモンベル支店まで聖地巡礼を果たされました。

モンベルが好きすぎてイニシャルまでMになっています。(嘘です)

そしてもう一人はYさん。自分と同じく写真大好きな登山者です。

愛機はソニーのα7Ⅲとα7RⅢ。

どちらのカメラも防塵防滴に配慮した設計とはっきりと謳われているにも関わらず、何を読み間違えたのか日々冬山でカメラ仕様の限界に挑みながら撮影を続けるSな面も持ち合わせているクールガイです。

さらに登山ギアの知識も豊富でいつも負んぶに抱っこなアドバイスという福音を聞いて自分はギアを選んでいます。

口癖はしゃべえ!です。(嘘です)

この頼もしいお二人とともに下ノ廊下の超ウルトラハードモードなロードをサバイブしてきました。

車を回送サービスに渡して扇沢駅へ

下ノ廊下は全長約30Kmの一本道なので二日間の行程を歩き終えると車を取りに帰るのが大変困難です。

なので車は回送サービスに頼んで、帰りは宇奈月温泉でピックアップすることにしました。

少人数なら電車やバスを乗り継いでいくこともありですが、ある程度人数が集まるなら車で回送サービスがオススメ!

代行サービスは2万円くらいからです。

下記の代行サービスなどが安くてオススメです。

参考 扇沢~宇奈月 回送アルペンキャリーサービス

文字通り車を移動してもらうサービスなので、値段が高くなるからといってサービスが良くなるとかそんなこともないので安い会社で良いと思います。

扇沢駅から黒部ダムへ

扇沢駅で車の代行サービスを頼んだ後は今年で最後のトロリーバスを使って扇沢駅から黒部ダムに向かいました。

始発に間に合わせたのですがすごい人の数です。

ヘルメットを担いだ登山者が多かったので大半は下ノ廊下を歩くのでしょう。

もっとマイナーな登山道だと思っていたので人の数に驚きました。

日本唯一のトロリーバスである黒部ダムのトロリーバスは2019年4月に電気バスに変わるので廃止となります。最後に乗車できてよかったです。(ただし、立山黒部観光が運営する立山トンネル(室堂―大観峰)は今後も運行します)

今シーズンの黒部ダムの観光放水の期間は既に終了していましたが、たまたま出水による放水していました。幸先いいですね!

黒部ダムでしばしの観光と水を補給した後にいよいよ下ノ廊下を歩き始めます。

黒部ダム駅から下ノ廊下へ

今回の下ノ廊下という存在を知ったのはだいたい4,5年前くらい。

当時から歩いてみたいとずっと思っていたのですが、登山スキルがなかったり天候が合わなかったりして今年まで延期となっていました。

そんな下ノ廊下にいよいよ足跡を残すことができる!

下ノ廊下のスタートは黒部ダムを仰ぎ見るように始まりました。

黒部ダム下

橋の上からみる黒部ダム。

下ノ廊下を歩く者しかみることができないある意味特権的なアングルですね。

今回は扇沢から欅平へ至るルートを選択しましたが、反対側から歩けばこの景色が最後となります。それもありな美しき景色でした。

さて下ノ廊下が始まります。

このあたりの道歩きはまだまだ余裕ですね。

が、いきなりの放水リスク!黒部ダムの放水は結構あるようで1時間に一回はけたたましい音で放水を知らせてくれました。下ノ廊下を普通に歩いているぶんには特に放水により流されるなんてことはありません。

また、下ノ廊下は普段の登山と違って高低差は少なく、山頂を目指すわけでもないのでそのあたりは楽です。

紅葉もちょうどピークにさしかかり始めた頃でとても美しかったです。

内蔵助谷出合〜黒部別山谷

また、初日はあまり天候がよろしくなかったのですが黒部峡谷はまるで日本のヨセミテ国立公園と呼んでもおかしくはないほどに大自然に満ち溢れていました。

渓谷と一枚岩、日本にもこんなほぼ手付かずの大自然が残っているのですね。ガチでアメリカのヨセミテ国立公園です。

しかーし、景色に浸っていられたのも歩き始めてからだいたい2時間くらい。

そのあとからは徐々に道幅が狭くなり、滑落するとかなり大変なことになる道になってきました。

ぶっちゃけ想像以上の道の狭さ&断崖絶壁ぐあいでした。

どの場所を歩いていても落ちたら真っ逆さまで即アウトな道が続きます。

写真で撮影するとこんな感じ。

写真で見るとあまり怖くないかもしれませんが、実際に歩くと断崖絶壁で滑落すると数十メートル真っ逆さまです。

これ、登山道として一般開放していていいの?社会的に大丈夫なの?この歩道を歩く人間はみんなクレイジーなの?そんなレベルの道です。

なのにけっこうな登山者が歩いている不思議。みんな命知らずのクレイジー!笑

道自体は平坦で体力的な疲れはぜんぜんないのですが、精神的なダメージが半端なくて精神がどんどん削られていきます。

一歩足を踏み外せば、即アウトの恐怖心は半端なくて常に道伝いに貼られているワイヤーを握り締めながら恐る恐る進みました。

しかし景色はご覧の通りの絶景が続きます。

なので撮影する手もなかなかとまりません(笑)

途中には残雪もあったりして、景色はまったく飽きません。

滝も数多く見ました。こんなに日本って滝があるんですね〜

また平坦な道が続くとは言え、途中には恐ろしい高度感の階段が用意されていたりして、精神的な削り具合も飽きさせません(笑)

本日のルートは阿曽原温泉小屋までの日電歩道と呼ばれる日本電力(今は解体)が発電所の建設用に作った道なのですが、ほんと命知らずですね(笑)

下ノ廊下は黒部ダムから歩くと阿曽原温泉宿まで休憩地点となる山小屋がなく、いまいちタイムスケジュールが読めません。

暗くなったら間違いなく歩けない鬼ルートなので、なるべく気をつけながら少し早めのペースを心がけた方が良さそうです。

そして恐怖の雨

下ノ廊下は道だけでも上級者ルートで大変恐ろしきところなのですが、この日は午後から2時間程度雷雨になるという鬼ヤバシチュエーションでした(笑)

ウルトラハードすぎるwww

結果から言ってしまうと幸いにして雷はなかったのですが、一時的に強い雨が降りました。

下ノ廊下は岩の上を歩くような箇所も多いので、滑りやすくなるという。さらに雨が降れば落石の危険も高まります。

そして雷が鳴るかもしれないという恐怖はすごかったです。

白竜峡

また、そんなときに限ってこういったロープのところもあって、精神を抉ってきました。

この場所は白竜峡と呼ばれる場所で、下ノ廊下の中でもとても美しい景勝スポットです。雨だからこそ艷やかで美しかったです。

事故は起こった

恐怖心と闘いながらも、もくもくと雨の中を歩き続けていたときに事故は起こりました。

ちょうど白竜峡と十字峡の間くらいの場所でした。

事故に関しては別記事で詳しく書いたのでここでは割愛します。

黒部峡谷の下ノ廊下での滑落死亡事故に関して

滑落者を見たのも初めての体験でしたが、改めて山に登るリスク、恐怖を感じた瞬間ですし、今でもあの対応で自分は正しかったのかと自問自答してしまいます。

下ノ廊下をひたすらに歩く

十字峡

事故が起こったあともエスケープルートなんぞ存在しない鬼ルートなのでひたすらに阿曽原温泉小屋を目指します。

十字峡がある吊り橋に辿り着きました。

本当はここから少しそれると黒部川と山から流れる水が十字に交わる十字峡と呼ばれる下ノ廊下の景観スポットがあるのですが、そんなものをみている心の余裕はまったくなくスルーです。

とにかく無事に阿曽原温泉に着きたい!その一心しかこのときはなかったような気がします。生きてお家に帰りたい!

か、十分に下ノ廊下の怖さを体感していると思ったらまだまだここまでは準備運動でした。

ここからさらに高度感が上がっていきます(笑)

半月峡

道は平坦なのに高度感が上がっていく恐怖!もう落ちたら完全に即アウトです。

一体どうなってんだこの道は!

景色はとんでもなく美しいのにカメラを取り出す動作で滑落するんじゃないかと、撮影することにすらストレスがたまります!

このあたりは強制的に歩道を作るためにダイナマイトで岩盤ぶち抜いたようなところもあって、なんかもういろいろ非現実的な歩道になってきました(笑)

S字峡

そして下ノ廊下を歩いていて、3本の指に入る最恐スポットのS字峡さんが現れました。

ここは下ノ廊下で道幅がもっとも狭い箇所でして、なんと60cmしかありません。

60cmとか余裕に感じるかもしれませんが、一泊二日テント泊用の大きなザックを担いでいる身として背筋がゾッとしました。

もうその場に立ち止まってレスキューヘリを呼びたいレベルでした(笑)

なんというかいろいろ人生を覚悟しました(笑)

この感覚は下ノ廊下を歩かないと体感できない初めての感覚でしたので、興味あれば登山レベルを上げてから行ってみて下さい!

黒四発電所

S字峡を抜けるとひとまず難易度はぐっと落ちます。

そのタイミングでいきなり黒四発電所が現れてきます。久々の人工物になんだか懐かしさや親しみすら感じますが、あらためてよく見ると変な形の建物ですな。

ただ、このあたりから今までの恐怖心で抑えていた精神的疲労や肉体的疲労がどっと出てきて疲れを感じてきました。

よく考えれば本日、朝の8時台から歩き始めてこの時点で16時台ですからね。休憩も少ししか取らずに食事も行動食のみ。お腹も減ってきました。

でもまだ2時間くらい歩かないといけませんのですよ。

そしてハシゴで下る急坂が現れました。えぐるときは容赦なく体力を削いでくる下ノ廊下さんです。

仙人谷ダム

黒四発電所をすぎるとこの行程でもっとも長い東谷吊り橋が現れました。

結構長いし、揺れるのでそれなりに怖いですが今までの行程に比べればなんのそのです。

というか吊り橋すら怖い下ノ廊下って一体なんなの?

そのあとは発電所のために作られた廃墟的なトンネルを歩きます。

このトンネルはヘッドライト必要なほど暗くて、おまけに幽霊も出そうという心霊的な恐怖でも下ノ廊下は試してきます。

もはや地獄か下ノ廊下かという感じになってきましたね(笑)

でも実際に振り返ってみるといろいろ経験しましたからねー。この時は下界に戻れたらまるで天国みたいな感覚でした。

そしてトンネルの先には仙人ダムです。名前の通り、秘境中の秘境なダムでした。

立地的に仙人が住んでいても疑わないと思います。

そして、気分的にはこのダムで助けを呼びたいくらいでした(笑)

ちょっと休憩して仙人ダムの底を見つめていたら吸い込まれそうになってきました。

さて休憩も終えて、阿曽原温泉小屋を目指します!

下ノ廊下の面白いところはこの仙人ダムの内部すらルートになっていること!まさか建物の中を通過するとは。

この近くは温泉があり、高温を発する岩をくり抜いているので中は暑いです。あと硫黄臭いです。

外気温との差で一眼レフは結露して壊れる可能性があるので、ザックにしまうなどして対策しましょう。

ここまでで旧日電歩道は終了です。この先は阿曽原温泉小屋を経由して水平歩道になります。

権現峠

このダムを抜けると1時間くらいの急登と急坂が待っています。

この時点で17時くらいだったかな、疲労感半端ないですが阿曽原温泉小屋まであと少し!

無事に阿曽原温泉小屋に到着!

そして夕暮れ前になんとか阿曽原温泉小屋まで辿り着きました。(テント代700円、温泉代700円)

※阿曽原温泉小屋の写真は既に日没前後で暗かったので次の日の朝の写真です。

この行程のオアシスですね、まさに。

そしておびただしいテントの数にも驚きでした。

まるで北アルプスの涸沢か!と思うようなテントの数!(今年最大のテント数だったようです)

幸いにも先にあった事故の影響でMさんが先に辿り着いていたので、テント場は確保できました。

ちなみに小屋泊の場合はシーズン期間が短いこともあり、天気の良い週末は激混みなので早めに予約しましょう!

参考 阿曽原温泉小屋

秘湯、阿曽原温泉!

そして阿曽原温泉小屋といえばその名の通り、日本屈指の秘湯、阿曽原温泉が有名!

下ノ廊下という上級ルートを歩かなければたどり着けないこと、さらに黒部峡谷鉄道欅平駅より水平歩道経由で約12km, または関電トンネルトロリーバス黒部ダム駅より日電歩道経由で約19kmという入浴に一泊二日を要する距離から「日本一危険な温泉」と呼ばれることもあります。

初めてな登山での温泉体験だったのですが、めっちゃ良いですねこれ!

山で温泉なんで湯冷めも心配しましたが、阿曽原温泉小屋は標高も低いし、谷間で風もないので夜は快眠できました。

疲れも吹き飛ぶし、登山で汗でベタベタになった身体も洗うことができて本当に気持ちよかったです。

どの山でも温泉に浸かることができれば一週間くらいの山行でも苦ではなくなるのではと思いました。

阿曽原温泉は20時以降は混浴ですが、それまでは1時間ごとに男性と女性の時間が決められています。

温泉に入って疲れも癒えたところで、ぐっすり就寝。明日の地獄に備えます(笑)

二日目の記事は下記をどうぞ!

【秘境トレッキング】黒部峡谷の下ノ廊下2日目!水平歩道を歩く。

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