こんにちは、ゆーせーです。
3月の春分の日の祝日に冬の谷川岳を登ってきました。
谷川岳だけと言えば、世界でもっとも死者数の多い、ギネスブックにも載っている魔の山だとか人喰い山だとか死の山として有名ですね。
なんと、エベレストとかK2みたいな8000メートル峰全14座の死者数の合計よりも谷川岳でなくなった方の方が多いという。(2012年の統計で8000メートル峰14座の死者数は合計しても637名だが、谷川岳は805名)
まあ、そのほぼ大部分の死者数は一ノ倉沢からのロッククライマーばかりなので、一般ルートは基本的には安全です。
話がちょっと脱線しますが、谷川岳の死者数がなぜこれだけ多いのかというと、要因としては首都圏からのアクセスが良いこと(土合駅があるので電車のみで行ける)と戦後~昭和中期の登山ブーム期に自分の技量と登山ルートが釣り合わない、無謀登山となる人が多かったようです。ロッククライミング中に上の人が滑落して、下の人間が巻き込まれるような事故も頻発していたようですし、恐ろしすぎますね。
このあたりは森田勝や長谷川恒男の小説に細かな描写があります。
谷川岳は晴天率が低く、基本的にガスっていることが多い山です。天候の急変も多いので油断は禁物です。しかも雪山登山で自分は初心者。
今回は運良く晴れた冬の谷川岳に登ってきました!
今回のスケジュール
今回の山旅スケジュールは下記の通りです。天神尾根から谷川岳山頂をピストンしました。YAMAPで計測しています。
谷川岳ベースプラザ(9時43分)→熊穴沢避難小屋(11時11分)→谷川岳・肩の小屋(12時17分)→谷川岳(トマノ耳)(12時29分)→谷川岳(オキノ耳)(12時47分)→谷川岳・肩の小屋(13時36分)→熊穴沢避難小屋(14時39分)→谷川岳ベースプラザ(16時8分)
活動時間:6時間25分
移動距離:11km
高低差:1,219m
今回の装備
今回はオクトスの10本爪アイゼンを友達に借りて登りました。
本当はこの日までにアイゼンを買っておく予定だったのですが、迷いに迷って結局購入できず。
10本爪ならトレッキングシューズで装着可能ですが、12本爪なら冬靴を別途購入しなければならいですからね。
しかもアイゼンと冬靴の相性もあります。なのでめっちゃ迷いました。
オクトスの10本爪アイゼンはラチェット式なのでまるでスキー板とスキー靴の装着のように簡単にアイゼンと登山靴を装着できました。これ良いです。
正直、10本爪でも不安でしたが実際は3月の谷川岳くらいなら余裕でした。できれば12本爪で登りたいですね。
ただし、谷川岳登っていたらチェーンスパイクの方やまさかのチェーンスパイクすらつけずただの登山靴で登っている人がもいて驚き!冬山舐めすぎでしょ!絶対危ないので真似しないように!
まあ、あとは一般的な雪山登山装備です。
あっ、あとカモシカスポーツでセールになっていたマジックマウンテンのゲイター(スパッツ)買いました。
これで雪の侵入も防げます。初めてゲイター買いましたが、冬登山にはマストバイ!
雪山でゲイターを使うときにはアイゼンを装着しても傷まない、冬用のゲイターを購入しましょう。
谷川岳に登ってきた
というわけで、谷川岳登ってきました。
6時に新宿駅を出発して、仲間の車で谷川岳ベースプラザへ。
谷川岳ベースプラザからは谷川岳ロープウェイで標高を稼ぎます。このお金で標高を買う感じ、好きですね。モンベルのカードを提示すると往復100円割引になりました。
この前登った北横岳といい、中央アルプスの木曽駒ケ岳といい、ロープウェイを使えば楽チンですよね。北アルプスにもロープウェイできないかしら。
谷川岳ロープウェイで天神平スキー場までやってきたらここからはアイゼン装着!
しかし天神平スキー場はスキーやスノボー客少ないですね〜。雪質はかなり良さそうだったし、祝日なのにもったいないです。
いよいよ、魔の山、谷川岳登ります!
序盤は曇り
雪山初心者で弱小へっぽこの自分にとって、冬山に一人で登りに来るなんてそれはもう死を意味するわけです。考えただけでも怖すぎ。
というわけで、ソロの登山なんてもってのほか!なので今回は下ノ廊下のときにお世話になったMさん、Yさん2名と年末年始にエチオピアで出会ったHさんの合計4名のグループで登ってきました。
登山の場合はグループでの登山であればメンバーが滑落しても救助要請や応急処置など迅速な対応できますからね!
今回の谷川岳ですが、序盤は曇っていました。まあそもそも午前中は曇り予報、所によっては雪という中での雪山チャレンジ。まあよく登りに来ましたよね。
しかし12時からは晴れ予報なので頑張ります!
3月とゆうことで、雪も徐々に溶け始めており、山肌の雪もいたるところにクラック(亀裂)がありました。
実際に登山中はたまにゴーッという音がして気づいたら隣の雪山が雪崩れていたり、隣の斜面が雪崩れていたりとこんなにも雪崩を身近に感じたのは初めてです。おーっ怖。
今回の天神尾根から登る谷川岳山頂ピストンは雪崩に巻き込まれたり、滑落のリスクはかなり低いですが、怖いですね。
しかし、雪山は美しいですね〜。真っ白の雪に覆われた山と青空。
危険があっても冬山に魅せられる人が多いのも納得できます。
谷川岳には5年くらい前に夏に登りに来たのですが、3月の谷川岳は積雪でかなり急勾配になっていました。
一つ一つの斜面を登るのも一苦労です。特にスキー場から稜線まで登る序盤の急坂はこたえました。
そして熊穴沢避難小屋へ到着。
いろんな山ブログでこの熊穴沢避難小屋がどのくらい雪に覆われているのかで積雪量を判断するなんて書いてましたが、自分が訪れたときには煙突的な部分まで埋まっていました。結構雪が積もっている!?
しかし、避難小屋なんて言われてますが、この小屋に避難するまでが苦労しまくりでしょう。どうやって雪を掻き出せば良いのやら、、、
熊穴沢避難小屋を過ぎてもガンガン登っていきます。冬山は積雪のおかげで直登できるので歩行距離的には楽なんでしょうが、そのぶんやはり急勾配が辛くて体力持ってかれますね。
しかし雪山美しいです。徐々にですが天気も快晴に進んで晴れてきました。
雲と雪と木々。マイケル・ケンナ的な?
ところどころで雪山の美しさに癒やされつつ、ガンガン登ります。
写真ではぜんぜんわからないですが、この日一番の急坂は肩の小屋の直前でした。
さらに風も爆風で下界の台風の比ではなかったです。
冬山は雪で覆われると白一色で高低差がわからなくなるので、写真ではキツさが全く伝わらないですね。祝日ということもあり、スキー客は少ないけど登山者はけっこういました。
そして肩の小屋へ!ここから谷川岳山頂はあと少し!
オキノ耳とトマノ耳に登頂
肩の小屋からは10分程度でトマノ耳へ!ついに山頂到達!
ここからはさらに谷川岳のもう一つの山頂であるオキノ耳へ。しかし、雪庇がやばいですね。少しでも右にずれると雪庇を踏み外して滑落です。
オキノ耳にも到達。これで当初の目的でもある谷川岳の山頂を制覇できました!
山頂に着く頃には天候も徐々に回復。晴れてきてくれました。
めずらしくパノラマなんかもやってみました。山は本当に広大ですね。
降りの方が楽だけど怖い
山頂まで到達したので下山開始。行きは急勾配だったので、下山は楽だし早いです。
登りは3時間位かかりましたが、下山は2時間くらいです。
ただし急勾配なのでスピードが付いて滑りやすく、滑落のリスクが高まります。
こういった際にピッケルが役に立つとよくわかりました。転倒時の滑落防止やバランスをとるのに非常に役立ちます。
今回、自分はピッケル持っていなかったのですが、メンバーに借りてみました。
ちなみに自分以外の3人のメンバーはみんなグリベルのネパールSAプラスを使っていました。
最初からヘッドカバーとハンドリーシュがついているので、かなりコスパがいいとのこと。
というか自分のまわりみんなこればっかり使っています。なのでそのうちグリベルのネパールSAプラス買いますw
そんなこんなで下山はあっという間でした。
鈴森の湯とモツ煮定食
下山後は谷川岳ベースプラザからほど近い鈴森の湯へ。
源泉かけ流しの温泉で、露天風呂は阿能川に面していて登山後の疲れや汚れを思いっきり洗い流せました。
しかし鈴森の湯でもっとも印象に残ったのは食事!
水上名物のもつ煮と岩魚の塩焼きを頼みましたが、登山後の飢えもあってかとても美味しかった!鈴森の湯は谷川岳登山のあとにオススメです。
帰りの車内では今回の谷川岳登山の話や今後の山の話。そしてなぜかWikipedia文学の話で盛り上がりましたとさ♫
まとめ
今回の3月の谷川岳は雪山登山2回目でしたが、本格的にアイゼンを使った初めての登山になりました。
アイゼンやピッケルなど今後につながる装備を身をもって体験できたことが大きかったです。
今後、雪山はどこまで登るかわかりませんが、突き詰めるタイプの性格なのでほどほどで止めておくように心掛けたいと思います。
いずれにせよ、快晴の谷川岳は初めての経験だったので良い雪山登山となりました♫
雪崩や凍傷などのリスクはありますが、適切に登れば最小限に抑えられるのでこれからもぼちぼち登っていきたいと思います!
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