2019年から2020年の香港民主化デモで感じたこと。

こんにちは、ゆーせーです。

2019年の12月のことですが、香港を訪れました。

理由は香港民主化デモをこの目で見たかったからです。

2019年から2020年にかけて香港の民主化デモは様々なメディア(ウェブ記事、テレビ、SNSなど)で繰り返し、報道されています。

つい最近まで世界でも指折りの平和な地域が、とつぜん中華人民共和国の逃亡犯条例改正案の完全撤回をきっかけに終わりのないデモへと発展し、日本の外務省も香港全土の危険度のレベルを引き上げました。

計算上は香港市民の4人に1人以上が参加しているこのデモではいったい何が行われているのか?香港市民がこのデモで行き着く先はいったいどこなのか?

後述しますが、中国のさまざまな地域を訪れたことのある自分としてはとても興味がありました。

そこで最新の注意を払いつつ、香港を旅して体験したことがこの記事になります。

自分が見てきた内容が少しでも伝わればと思います。

注意
ここに記載する内容はあくまで個人の主観的な内容になります。何かを支持したり批判する内容ではありません。

チベット、ウイグル、そして香港へ。

自分は2014年から中国各地を時間を見つけては旅してきました。

そのなかでも特に印象に残っている地域は東チベットやウイグル自治区です。

この2つの地域は国としては中国であるにも関わらず、全く異なる文化と宗教を持っていてとても興味深い場所でした。

敬虔に毎日祈りを重ねるチベット仏教徒、カシュガルの美しいイスラム建築と美味しい食事。中国の漢民族が大多数を占める場所とはまた違った美しさがそこにはありました。

ただその一方で中国共産党の迫害も実際に目にしてきました。

東チベットでは自分の大好きなラルンガルゴンパやアチェンガルゴンパはすでに2016年当時の面影はありません。

ウイグル自治区のカシュガルでは至ることろに公安がいました。手荷物検査も至るところでされました。撮影できる箇所も限定されています。

それらを見てきた中での、今回の香港の民主化デモ。

程度の差こそあれ、もしかしたら香港も近い将来に僕が見てきた東チベットやウイグル自治区のような迫害が行われるかもしれない。

日本人からしたら香港人がなぜあれだけ中華人民共和国の圧力に抵抗するのか?同じ中華人民共和国なのになぜ?という方もいると思います。

でも、自分のなかではあれだけ抵抗する理由がすこしだけどわかる。実際に中国のいろんな場所を旅してきたから理解できる。

今の香港の姿はこの先見れなくなるかもしれない。そう思うと圧力に立ち向かう香港人の姿を見たくなりました。

そんなわけで気づけば香港行きの航空券を購入していました。とはいえ、ニュースで報道されている通り、このタイミングで行くべきでないのは事実なので、あくまで一人で、最新の注意を払って行ってきました。

実際に香港民主化デモを体験した。

ここからは実際に自分が体験したデモを紹介します。自分が体験したデモは主に遮打花園(チャーターガーデン)旺角(モンコック)尖沙咀(チムサーチョイ)での3つのデモです。

事前準備の段階ではそんなにどこでデモが行われるかなどを調べていませんでしたが、結果的には想像以上に身近でデモが発生していて驚きました。

遮打花園(チャーターガーデン)でのデモ

まず最初に訪れたのは香港島の遮打花園(チャーターガーデン)で行われたデモです。

結果的にはこの旅で唯一調べて訪れた香港民主化デモでした。

この場所でのデモはデモが開始する前から待機していたのですが、世界中の報道機関のプレスが取材していて、今回の香港民主化デモの世界での注目度の高さを痛感しました。

また、デモ開始前から医療班が待機するなど安全面にも配慮していることがわかりました。

老若男女がストレッチフィルムに民主化への願いを貼るなど香港国民全体で民主化を願っていることが感じられます。

デモが始まり、ライブや講演が始まりました。参加者も老若男女問わず大勢の方々が参加しており、注目度の高さを感じました。

遮打花園(チャーターガーデン)は香港中心部の中環(セントラル)に位置するので周りは超高層ビルに囲まれています。そんななかで民主化を訴えるデモ参加者。

直近で、アメリカでは香港人権・民主主義法案が可決されたこともあり、アメリカへの感謝を込めてアメリカ合衆国の国旗を掲げるデモ参加者も多く見られました。

デモの様子は少し動画にも収めてみました。

旺角(モンコック)でのデモ

旺角(モンコック)でのデモはたまたま女人街近くの飲食店で夕ご飯を食べていたら、お店のテレビで旺角(モンコック)のデモが生中継で報道されているのをみて駆けつけました。

旺角(モンコック)に関しては次の日も同じ場所でデモが行われていたので、たぶん夜には基本的に旺角(モンコック)でデモが行われるようです。

旺角(モンコック)の荒れ具合は凄まじくて、信号機は割られて故障していたり、地下鉄駅も封鎖されていたりとすごいことになっていました。

また、夜はデモ隊も暴徒化しやすいのかより警官隊との衝突が激しかったです。警備車両も多数待機していました。

デモが発生するとバスやタクシーは迂回路を使うことになります。また、デモは常に一定の場所ではないので、デモ隊と警官隊が攻防しつつ、最期はデモ隊が発散してデモが終了していました。

ここにも様々なプレスがやってきていました。

ただし、ヘルメットやジャケットにプレストと明記しているだけで、本当にメディアなのか?という方々も多数いました。

尖沙咀(チムサーチョイ)でのデモ

個人的に一番印象に残ったデモはこの尖沙咀(チムサーチョイ)でのデモです。

この尖沙咀(チムサーチョイ)ですが、ペニンシュラ香港やインターコンチネンタル香港などの高級ホテルやいろんなブランドショップが軒を連ねる香港屈指の商業地区なんですよね。

日本でいうと銀座みたいな場所です。

香港で有名なヴィクトリア・ハーバーもこの場所から眺めることができます。まさに香港の一等地。

自分もこのあたりに宿泊していたのですが、まさかのホテルの目の前でデモが発生。まさかこんな場所でもデモが行われるとは思わず、恐怖でした。

しかも訪れた3つのデモの中でも最大規模のデモで、付近は完全に封鎖。さらには周囲の香港人もみんな警官隊に野次を飛ばしたりする始末。

警官隊もかなり威嚇していて、デモ隊を追いかけたり、催涙スプレーを発射したりと、自分まで捕まるのではないかと恐怖を覚えました。

尖沙咀(チムサーチョイ)でのデモを経て、一気に香港民主化デモが自分ごととして腹落ちして、以降はデモに恐怖を感じるようになりました。

香港の時代が動いていることが肌でわかった瞬間でした。

香港理工大学にも訪れた。

香港民主化デモの激戦地である香港理工大学にも訪れました。この場所も商業エリアからほど近くて驚きました。

もちろん内部は立入禁止で、バリケードもはられていたので、周囲を歩いて回っただけですが、物々しい雰囲気が半端なかったです。

普通の大学の状況じゃない。

たぶん、1960年代の学生運動もこんな感じだったのではと思いました。

ちなみに香港理工大学以外にも郊外の香港中文大学も今回のデモの拠点となっていましたが、こちらに関しては香港中文大学の最寄り駅は封鎖されており乗降車できないという厳戒態勢になっていました。

想像以上に身近だったデモ

今回の香港への渡航で強く感じたのが想像以上に民主化デモが身近だったことです。

空港の外に出て、街を歩いた瞬間から民主化デモの足跡が至るところに見られました。

報道はときに事実を強調するので、あくまで香港の一部だけでデモが過激化していると思ったらそうではありませんでした。民主化はほぼ全香港国民の総意なのかもしれない。もしかしたら衝突している警官隊ですら本意では民主化を望んでいるのかもしれない。それくらいに強く感じるデモでした。

また、同時に香港人の立場に立ったときに自分も同じように圧力に立ち向かうことができるのか?そういったことを強く考えさせられました。

これからの香港がいったいどうなっていくのか?

現在はコロナ禍でそもそも海外渡航すらできない状況ですが、注意して見守っていきたいと思います。

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