さて前回からの続きです。
稜線上を歩く。高瀬ダムから裏銀座コースへ。野口五郎まで登って次は水晶小屋を目指します!
しかしときは既に14時近い。そして仕事終わりに、七倉山荘まで車で向かって朝4時から登山している疲れがここにきて一気に来てコースタイムからどんどん遅れてしまっている。。。
そしてどんどんガスってきました。すれ違う人たちも少なくなってきましたが、コースタイム上はここから3時間で水晶小屋に着ける予定だったので続行。
夕暮れ前には到着予定です。
しかし山の天気って面白くて、稜線でガスが分断されています。左がガスっていて、右が快晴。下界では見られない面白い天気です。笑
長かった水晶小屋までの道のり
コースタイムが3時間。。。しかし甘かった。
野口五郎から先はガレた急峻な稜線で疲れた体にはだいぶ応えました。そして極めつけは、水晶小屋がなかなか見えなくて心が折れました。
結果として何度も休憩してどんどん日暮れが近づいていきます。
山で日が暮れるという事は、非常に危険な事です。(ヘッドライト持っていても足を踏み外す危険が高まる)
なので最悪ビバークも覚悟で進んでいきました。
最初の方は心を癒してくれていた五郎池も日暮れが近づいてくる頃にはどんどんガスっていって何も見えなくなってしまった笑
心が焦ります。
ただその一方で反対側の景色は槍ヶ岳が雲の隙間から姿を現してくれたりと非常に忙しい天気です。
しかし立ちはだかる壁。。。笑
絶望。。。
もう少し裏銀座は山小屋の間隔を縮めてほしい。。。
いずれにせよなんとか夕暮れに少しでも間に合わせたい!写真撮りたい!というか命の危険があるし!といった気持ちで疲れた体に鞭を打って進んでいったらなんとか17時30分前には水晶小屋に着く事ができました。
夕暮れのイリュージョン。特殊な気象現象のオンパレード
しかし山の神様はここから僕にも振り向いてくれました!
なんとかぎりぎりで夕暮れに間に合った僕ですが待っていたのはこの雲海!
今まで僕が見てきた雲海というのは読んで字のごとく雲が海のようには全然見えないなあと思っていたのですが、ここで見た雲海は文字通りの雲の海!
山々がまるで海岸の岩のように見えて、雲が海水のように流れていました。
そして雲の隙間から見える夕暮れの槍!空が染まってすごく美しい!
そしてそしてまだまだこれだけじゃありません。たまたま水晶小屋に気象予報士さんがいらっしゃって、いろいろとその場で解説してくれました。
この日の水晶小屋からの夕暮れはいろんな特殊な気象現象が見れたのでここで書いてみます。
まずはブロッケン現象と白虹!!
ブロッケン現象はともかくも、白虹とか初めて聞きました。虹が白い!!
太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象。光輪(グローリー、英語: glory)、ブロッケンの妖怪(または怪物)などともいう。
そして極めつけは三つの幻日!
普段は見れないような気象現象にその場にいた方々も歓声をあげながら見入っていました。
山はこういう瞬間があるから大好きです。
よく辛いのになんで山に登るの?と聞かれたりしますが、確かに山登りって辛いんです笑
でも山登りは山頂という目標があります。そして山の上から見る景色は下界では味わえないような圧倒的な瞬間があるんです。このときの水晶小屋のように。
山は美しい。だから僕は山に登る気がします。
海外放浪もそうですが、実際に写真だけでは伝わらない瞬間がそこにはあります。でも少しでもこのブログの言葉や写真を参考に山に登ったり、海外を旅する方々が増えれば良いなと思っています。
現実の世界はもっと素晴らしいですよ?^^
さて話は脱線しましたが、この日の水晶小屋はシルバーウィークで天気も良好との事でキャパの5倍が宿泊したとの事笑
おかげでテント泊禁止な山小屋なのですが、テント泊オッケーに!貴重な経験ができました。
次回の記事は下記をどうぞ
日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平にやってきた。