世界でもっとも優れた写真家の一人!スティーブ・マッカリー(Steve McCurry)の紹介。

今や世の中には星の数ほど写真を撮る人間がいます。

SNSにアップするためになんとなく撮っている人から、趣味で一眼レフを持って写真を撮る方、写真で生計を立てている方など様々な方がいます。

1日に何億枚もの写真が消費されるような時代です。

そんな中で世の中を変えるほどの写真を撮れる人間はわずかしかいないのではないでしょうか?

今回はそんなわずかばかりの人間に数えられるであろう写真家をご紹介しようと思います。

当代随一の写真家と呼ばれ、世界的な報道写真家であるスティーブ・マッカリー(Steve McCurry)です。

正直、自分が紹介するのもおこがましいようなレベルの写真家なのですが、写真家(特に海外の)って世界的に有名な方でも日本では無名なことって多いのです。というわけで少しでも日本での知名度を上げることに貢献したいと思い、記事にしようと思いました。

というか単純に素晴らしい写真ばかりなので、知らないなんてもったいないから紹介したいだけというのが一番大きな理由です(๑´ڡ`๑)

スティーブマッカリーとは

まずはスティーブマッカリーの経歴からご紹介します。

経歴

アメリカ人

1950年フィラデルフィア生生まれニューヨーク在住

大学卒業後2年間新聞社で働き、フリーランスの写真家として活動を始める。1978年より1980年までインド、ネパールをはじめアジア各国を長期に渡り取材、優れた作品を数多く発表した。

ソビエト侵攻直前のアフガニスタンの取材では、民族衣装を着て変装し、フィルムを服に縫いつけ国境を越え、取材を続けた。それらはアフガン紛争を捕らえた初めての写真として、世界中に発表された。

1980年アフガニスタンの作品でロバート・キャパ賞を受賞。

1985年には、世界報道写真賞の4部門にて最優秀賞を受賞している。

1986年よりマグナムに参画。

その後もイラン・イラク戦争、カンボジア、フィリピン、湾岸戦争、

ユーゴスラビアなど世界中の様々な紛争を取材している。

近年ではイエメンの他、スリランカ、インド、東アジア全般など取材。

1988年「Monsoon」、2000年の「South Southeast」など、アジアをテーマにした写真集を数多く出している。2002年、17年前に撮影したアフガニスタンの少女を探し出し話題になった。

この再会を契機に、アフガニスタンでの教育支援活動にも携わるようになる。

2013年、フランス政府より文化芸術勲章を受賞。

同年、これまで手がけてきた取材の裏側を綴った写真集『Stories Untold』を出版。

参考 スティーブ・マッカリー Steve McCurryマグナム・フォト

現在でも精力的に活動中

スティーブ・マッカリーは1970年代から写真活動を行っていますが、今でも第一級のフォトグラファーとして精力的に活動しています。

そして最近はヴォーグなどのファッション雑誌やValentinoなどのファッションブランドと組んで作品を発表するなど活動の幅を広げています。

フォトショップ加工問題

2016年頃にフォトショップの加工問題で炎上し、話題にもなりました。

フォトショップの加工でよくある話ですが、写真の構成で不必要な人物を消したりしていたようです。

フォトショップの加工自体はプロフェッショナルの写真でも普通に行われるので問題はないのですが、スティーブマッカリーの場合は過去にフォトショップの加工に関して否定的な発言をしたことと、後述するアフガンの少女に代表されるドキュメンタリー写真家としてのイメージが強いために世界からバッシングされたものと思われます。

そのあと謝罪声明を出して、この問題は収束しましたが、個人的には言わずにフォトショップで加工していたことは問題ですが、例としてあげている作品をみてもフォトショップ加工後の方が明らかに良くなっているので、フォトショップの加工自体は問題ないのでは?と思っています。

スティーブマッカリーの写真表現

スティーブマッカリーの写真の特徴として、自分が感じるのはとにかく日常の一瞬を切り取るのがとんでもなくうまいことです。

以前に紹介したセバスチャンサルガドがプロジェクトごとに大きなテーマに従って撮影していくのに対して、スティーブマッカリーのテーマ性は薄いと感じます。(とは言えもちろんありますが)

神の眼を持つ写真家。セバスチャン・サルガド(Sebastião Salgado)の紹介。

ただし、一枚ごとのクオリティーがとてつもなく高く、印象に残る作品が多いです。

例えばスティーブマッカリーの代表作である「アフガンの少女(Afghan Girl)

かの有名なナショナルジオグラフィック誌(1985年6月号)の表紙を飾った写真ですが、それだけでなく100年以上の歴史を誇るナショナルジオグラフィック誌の中で史上もっとも有名な表紙になったと言われています。

そのほかの作品にしても一枚一枚の写真の表現力が強く、写真自体が語りかけてくるような作品が多いです。

アフガンの少女のそのあと

スティーブマッカリー本人にとってもアフガンの少女は自身のキャリアを代表する作品という認識があるようで、アフガンの少女を撮影した17年後に撮影したアフガニスタンの少女を探し当てて同じ構図で撮影しています。

その後もこの作品をきっかけにアフガニスタンを支援するなど活動していますが、2016年にアフガンの少女のモデルであるシャーバート・グーラーさんはパキスタン当局に違法滞在で逮捕されたことがニュースになりました。

参考 「アフガンの少女」、逮捕の背景ナショナルジオグラフィック

「当局によるこの行動には断固として反対する」。スティーブマッカリーはグーラーさんの逮捕について、インスタグラムにそう投稿しているそうです。

写真集の紹介

ここからはスティーブマッカリーの写真集の紹介です。何十年にもわたって数々の写真集が出版されているのでここでは代表的な写真集のみ取り上げます。

洋書ばかりを取り上げましたが、写真集に英語力は必要ないので洋書でも十分に楽しめます。

ポートレイト

スティーブマッカリーが撮影した珠玉のポートレートを一冊にまとめた本です。

特に海外で人々に焦点を当てた写真を撮影する方々にとってはバイブルといっても過言ではない写真集です。

どの作品も一度見たら、印象に残って離れないような作品が収録されています。

India

スティーブマッカリーはアジアを中心とした撮影を得意とした写真家ですが、その中でも特にインドで写真は特に多いです。

スティーブマッカリー自身にとってもとても印象的な国のようでインドに関連した写真集は何冊も出版されています。

Stories Untold

これまで世界各地で撮影してきたスティーブマッカリーの傑作写真の舞台裏を綴った一冊です。

文章多めで洋書なので、英語が読めない方には少しきついかと思います。

内容は傑作写真のフォトストーリーとともに写真家の未発表のメモなども収録され写真撮影の背景やマッカリーのアイデアなども見て取れ、スティーブマッカリーの写真家としての視点も知ることができます。

The Iconic Photographs

スティーブマッカリーの傑作写真ばかりを収録した総集編のような写真集です。

音楽でいうとベストアルバム的な位置付けです。人物の動きと背景を絡ませたスティーブマッカリーらしい印象的な作品ばかりが収録されており、自分も所蔵しており、撮影に行く前にいつも眺めて参考にしています。

A Life in Pictures

今年発売する前述したThe Iconic Photographsを超える総集編的写真集のようです。

編集者がスティーブマッカリーの姉妹で、マッカリーの写真事務所の社長であるボニーマッカリー(Bonnie McCurry)が担当しているので本気度は相当なものでしょう。

ちょっとこれは入手したいぞ!

動画や記事の紹介

ここからはスティーブマッカリーに関する動画や記事の紹介です。

ナショナルジオグラフィック日本語版にスティーブマッカリーのインタビュー記事が掲載されているので紹介します。

参考 Webナショジオ・インタビュー スティーブ・マッカリーナショナルジオグラフィック

また、ここでは動画の紹介をします。

どの動画も英語ですが、写真家としてどうあるべきか?または撮影時に何を考えて撮影しているのか、またはどのように撮影しているのかがわかり考えさせられるような話が多いです。

A Retrospective

ライカが作成したスティーブマッカリーの傑作写真をスライドショーでまとめた動画です。英語が読めなくても楽しめます。

his iconic photographs

スティーブマッカリーが自身の傑作写真について語ります。

MASTERS OF PHOTOGRAPHY

こちらもスティーブマッカリーが自身の傑作写真について語ります。自身の撮影する写真からスティーブマッカリーの写真に対する考え方を勉強できます。

以上がスティーブマッカリーの紹介でした。

旅先で写真を撮影する端くれとして、少しでもスティーブマッカリーのような歴史に名を残す作品が撮れるような写真家に近づけるように日々精進するしかありませんね。