こんにちは、ゆーせーです。
ゴールデンウィークにフィリピンを旅しました。相変わらずのバックパッカースタイルの一人旅ですね。
今回はルソン島を回ったので、もちろんフィリピンの首都のマニラも訪れています。
マニラは食べ物が本当に安くて、非常に美味しかったのでハロハロには大変お世話になりました。ハロハロを提供するチェーン店が到るところにあったのでまったく食には不自由しなかったです。大変美味しゅうございました。
一方でマニラで特に印象的だったのは、スラム(貧困街)です。
マニラは人口が爆発的に増加した結果、人々が職に溢れスラムが到るところで形成されています。
観光客が集まるような場所では見えないようになっていますが、すこし自分の足で歩けばすぐに見つけられます。
そんなスラムの中で、今回は自分が訪れたゴミ山と墓地のスラムについて書きます。
この記事は書こうか悩んだのですが、フィリピン含めて海外ではこういった現状があるということを少しでも知ってもらえた方が良いのではないかと考えたので書くことに決めました。
特に金目の物を持っているとトラブルに巻き込まれるので注意してください。
ゴミ山スラムとは
フィリピンでは条例でプラスチックなどのゴミを簡単に燃やすことができません。そのため、フィリピンの各家庭や企業から排出されたゴミは郊外のゴミ集積場に運ばれます。
集積場に集められたゴミはゴミが溜まると土が被せられ、さらにその上にゴミが集められるため、いつしかゴミが山のように堆積します。
これがゴミ山の正体です。
ゴミ山は生ごみと日光が化学反応を起こし、メタンガスなど有害物質が発生するため、絶え間なく煙が上がっています。
ゴミ山スラムにはスカベンジャーと呼ばれるゴミをあさって(有価物回収で)生計を立てている人がいます。
ゴミ山という劣悪な環境でもスカベンジャーとなる理由はそれがお金になるからです。
例えばプラスチックは1キロ10円、ペットボトルは1キロ30円、紙でも1キロ10円くらいになります。これはフィリピンの貧困層の人にとってはとても大きな収入となります。
特にマニラは人口過剰で職に溢れるため、こういった仕事でも進んでやる人がいるわけです。
ちなみにマニラのゴミ山スラムは、漫画『ONE PIECE(ワンピース)』で、作品の舞台「グレイ・ターミナル」のモデルとして紹介されている場所です。
マニラには代表的なゴミ山スラムとして、トンド地区のスモーキー・マウンテンとパヤタス・ダンプサイトがあるので両方訪れてきました。
スモーキー・マウンテン
マニラのスモーキー・マウンテンはメトロ・マニラのトンド地区にあるゴミ山スラムです。
スモーキー・マウンテンは1995年にゴミの投棄場が閉鎖されたので、今は新たなゴミが運び込まれることはありませんが、フィリピンの貧困の象徴として日本でも有名ですね。
今でもかつてのゴミ山は存在しています。
スモーキー・マウンテンにはタクシーなどで行くことが一般的なようですが、スモーキー・マウンテンに行くというと乗車を拒否されることが多いと聞いていたので自分はマニラの地下鉄でBlumentritt駅で下車してそこから歩きました。歩いたら1時間くらいです。
スモーキー・マウンテンがはじめてのスラムということでビクビクしながら訪れましたが、そこまで危険な雰囲気はありませんでした。
ただし、一般的な観光地では決してありませんので十分注意してください。
ビクビクしながら訪れたので写真はほぼ撮っていませんが、やはり独特な空気感のようなものは感じました。
マニラは自分の印象ではけっこうギラギラした都市なのですが、スモーキー・マウンテンはそのギラギラ感が更に増した感じです。
到るところに屋台があったり、バスケットボール場などもありましたが、人々は特にやることもなく街を歩いているような感じでした。
ゴミの集積場がなくなったことで仕事がなく、逆に治安が悪くなっているのかもしれません。
パヤタス・ダンプサイト(スモーキー・バレー)
パヤタス・ダンプサイトはスモーキー・マウンテンが閉鎖されたことでスモーキー・マウンテン周辺で廃棄物を拾って生活していたスカベンジャーがこちらに移住し、大きくなったゴミ山スラムです。
パヤタス・ダンプサイトはスモーキー・バレーとも呼ばれます。
パヤタス・ダンプサイトはメトロ・マニラのケソンシティにあります。
自分はマニラの地下鉄のCubao駅で下車して、Fair Viewという大型ショッピングモールのある街方面のバスに乗車し、パヤタス・ダンプサイト付近で下車して、そこからトライシクルでたどり着きました。
トライシクルの運ちゃん曰く、パヤタス・ダンプサイトも3年ほど前にゴミの投棄場が閉館されたと行っていましたが、今でもスカベンジャーはいました。
コピー機のトナーカートリッジのようなものをバラしていました。
また、パヤタス・ダンプサイトの付近には今でも大型のトラックなどでゴミが集められており、ゴミを分別する工場でいっぱいでした。
ただ、自分の印象としてはスモーキー・マウンテンよりもパヤタス・ダンプサイトのほうが治安が良いように感じました。事実、写真を撮っていても危険は感じずに皆さん、かなりフレンドリーでした。
パヤタス・ダンプサイトを訪れる前は、スモーキー・マウンテンと比べて現役のゴミ集積場なのでより危険だと考えていたので驚きでした。
おそらくパヤタス・ダンプサイトはスカベンジャーとしての仕事があるので、そのぶんスモーキー・マウンテンよりも人々の収入が安定しているからだと思います。
墓地スラムとは
マニラではさまざまなスラムがありますが、なかには墓地に住む人々もいます。
なぜわざわざ墓地に住むかというと比較的安全だからです。この一言に付きます。
墓地への入口は大通りに面した1箇所しかないので、泥棒や強盗など不審者が入って来ればすぐに気がつきますし、逃げ道が1箇所しかない為、仮に何かを盗まれても入口付近で捕まえることができます。
このような墓地特有の立地が、安全な場所を求める貧困層とマッチし、住みつくようになりました。しかしもちろん墓地に住むのは違法です。
ただし実際にはマニラの墓地にはトライシクルなどの移動手段や屋台、インターネットカフェなどもあり、まるでひとつの街のようでした。
今回、自分はマニラの北墓地とナボタス・シティ墓地を訪れました。
マニラ北墓地
マニラ北墓地はおそらくメトロ・マニラの中でももっとも大きな墓地です。
マニラ北墓地の隣は中国人の墓地となっています。アクセスも容易で、マニラの地下鉄のBlumentritt駅で下車して徒歩15分くらいです。
マニラ北墓地は自分が初めて訪れた墓地スラムですが、まったく危険な感じはありませんでした。
墓地にはスラムとして住んでいる人以外にもお墓参りに訪れているフィリピンの富裕層もいっぱいいるので、それも安全に感じた理由の一つですね。
この墓地に住んでいる人はお墓に電化製品やソファなどまで持ち込んでまるで自分の家のように住んでいます。
フィリピンの墓地は面白くて、棺桶が積み上げられているのをよく見ました。人口が多すぎて、墓地の中に収容できるキャパシティを超えているから積み上げているのかもしれません。
夕方にはマニラ北墓地に住んでいる子どもたちが遊んでいたりして非常に和やかな感じでした。
ナボタス・シティ墓地
ナボタス・シティ墓地はマニラ北墓地に比べるとアクセスは非常に悪く、自分はスモーキー・マウンテンからナボタス行きのジプニーに乗って訪れました。
フィリピンのジプニーは行き先が車体に書かれているので、到着地から逆算すればどのあたりを通るのか予想できるので慣れれば非常に便利な交通手段です。
ナボタス・シティ墓地はマニラ北墓地と比べてかなり小さく、小さいからなのかこの墓地に住んでいる人はいないようでした。
ただし、バスケットボール場があったりして人はいっぱいいます。
ナボタス・シティ墓地もマニラ北墓地と同様に棺桶がまるでテトリスかのように積み上げられています。
自分が感じたこと
フィリピンのマニラでいくつかのゴミ山と墓地スラムを回ってきましたが、自分が経験できたのは人が過剰だからこそ貧困が発生し、その結果としてスラムが形成されていることが身をもってわかったことでした。
そして日本では少子高齢化社会の到来で、高齢者が多すぎることで社会保障が維持しにくくなっており、人口増加が望まれていますが、世界では発展途上国を中心に人口が増え続けており、2060年には100億人を超えると試算されております(PopulationPyramid.netより)
フィリピンのような東南アジアの発展途上国を回ると、どこも人だらけ。子どもたちだらけです。
経済が発展するには労働人口が増えることが必須条件ですが、その副作用として低所得者が発生し、スラムが形成されてしまいます。
このまま人口が増え続ければいずれは食糧危機や資源の奪い合いが世界規模で起こることになり、戦争や迫害の原因になる可能性は非常に高いと考えています。
どうしていけ良いのか答えは見つかりませんが考え続けなければならない問題ですね。
また、今回自分は旅慣れているので個人で各スラムを訪れていますが、なかには訪れてみたいけども不安な方もいっぱいいると思います。
そんな方には現地ではNGO団体が主催するスラムを回るツアーなどもいっぱいあるのでぜひ参加されてみてください。
例えば「スモーキー・ツアーズ」などが有名なようです。ツアーでガイドと一緒に各スラムを回ればまた違った実感も生まれるはずです。
参考 SMOKEY TOURS SMOKEY TOURS何事も百聞は一見にしかずです。
日本にいるとどうしても高齢者が目立つので、人口を増やすことが必要なように感じますが、果たしてそれは全世界的なマクロな視点から見ると本当に正しいのか?と考えることは大切な視点だと思います。
日本の常識が必ずしも世界の常識ではありません。
以上!
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