こんにちは、ゆーせーです。
写真とは真を写すものです。
真とは何かは人それぞれだと思いますが、僕にとってそれは写真家の信念だったり想いだと思います。
信念や想いは写真家それぞれ。人々に写真を使って伝えたいコトやモノがあればどんな写真だって素晴らしいのではないでしょうか。
昨今のカメラは技術の進歩とデジタル化の波を受けてどんどん高性能化しています。
今ではかつてプロが撮れなかった難しい写真さえ、アマチュアでも撮れるほどです。
そして巷ではSNSで日々いわゆる「キレイ」な写真が消費されていきます。
もちろんそれが時代の流れだし、楽しければいいのです。でもプロの写真家とはそういったものとは一線を画すような、人々の心にいつまでも残る信念のある写真を撮れる人だと思っています。
写真技術は根性と努力でアマチュアでもどこかでプロに追いつくものだと思いますが、真にプロの写真家から学ぶべきはそれぞれの写真家の本質ではないでしょうか?
そういった信念や想いは写真集で学ぶこともできると思いますが、写真家自身の言葉で語ってもらった方がより明確化するはずです。
というわけで僕が大好きな写真家さんたち自身が記した本を5冊紹介します。
僕がオススメするだけに旅をテーマにした写真家さんが多いですが、あしからず。
The Songlines
2014年度の日経ナショナルジオグラフィック写真賞のグランプリを受賞した竹沢うるまさんの紀行本です。読後の感想は以前にも書きました。
竹沢うるま「The Songlines」を読んで。その後に2回ほどまた読みましたが、読めば読むほど惹き込まれます。何度か本人ともお会いしたことがあるのですが、竹沢さんにとって写真はまるでチベット仏教徒がお祈りするようなそんな自然の行為なのだと感じました。
写真はアートではなく記録だと断言した竹沢さん。世界各地で自分の心が動いた瞬間、その瞬間を写真として納める。
一人の旅人が感じた世界がそこにはある。
わたしの土地から大地へ
世界的に有名な写真家、セバスチャンサルガドの自伝です。サルガドといえば超有名な写真家集団「マグナムフォト」にも在籍していた写真家です。
「神の眼を持つ人」と称され、世界中に大きな影響を与える報道写真家でもあります。
サルガドは著書だけでなく、下記のユーチューブも彼を知るには見た方が良いと思います。
サルガドに関する特集記事も書いています。
神の眼を持つ写真家。セバスチャン・サルガド(Sebastião Salgado)の紹介。サルガドは飢餓や難民など人類の黒い部分を見すぎて一時期写真を撮ることを辞めてしまったほどの方です。彼の写真集や著書を読むと世界平和や地球の持続性に向けたメッセージを感じます。
また、約束されたキャリアを捨てて写真家を目指した知識人でもあります。
地平線の彼方から
米国のナショジオの表紙を飾ったこともある日本を代表する写真家。この本は今まで取材した地域のルポと写真を集めた紀行本です。
世界各地の聖地、高地、民族を撮り続けた写真と文章には世界をありのままに伝えようとする信念のようなものを感じます。
今から40年も前から世界の辺境、秘境の地で写真を取り続け野町さん、すごすぎです。
人間の尊厳
若き女性写真家の林典子さん。今回紹介する本の中で一番衝撃的な写真と文章は間違いなくこの本です。
フォトジャーナリストとして世界各地の目を背けたくなる現実を世界に伝えようという想いが強く感じられます。初期の体当たりに近い取材や、被写体に限りなく寄り添ってカメラを意識しないほどの信頼を気づいてから取材する姿勢に感銘を受けました。
この本にでてくるパキスタンの硫酸をかけられた女性やキルギスの誘拐結婚の話は本当に心が痛みました。
ASIAN JAPANESE
今は東京工芸大学の教授でもある写真家の小林紀晴さん。その小林さんの20年前の著書です。
当時のバックパッカーがどんな旅をしていたのか垣間見えます。
写真家として駆け出しの小林さんがリュックにフィルムを詰め、名を上げようとがむしゃらに撮影した写真と文章の初々しくて尖った感じが好きです。
アジアンジャパニーズからは91年のアジアを旅しているバックパッカーと94年のそのバックパッカーたちが日本に帰国した姿を納めることで当時の若者の抱える闇と日本を映し出しているように思えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
僕の浅はかな言葉ではなかなかそれぞれの本の良さは伝わりにくいと思いますが、そこは騙されたと思って読んでいただければそれぞれの本の写真家の文章が語ってくれるはずです。
ここにあげた本は自分の撮影する写真に信念や想いをのせたい人にぜひ読んでみることをオススメしたい。
そういう自分もまだまだ想いをのせられていませんが、そんな写真が撮れるように日々精進したいです。