映画「イントゥ・ザ・ワイルド」の原作!ジョン・クラカワーの「荒野へ」を読んで考えたこと。

こんにちは、ゆーせーです。

大好きな映画の一つである「イントゥ・ザ・ワイルド」。

旅好きなら一度は見たことがあるかもしれない映画。というよりすべての人におすすめする映画です。

その原作であるジョン・クラカワー著の「荒野へ」を購入して読んでみました。

ちなみに著者のジョン・クラカワーは1996年に起こったエベレスト大量遭難にもアウトドア雑誌のジャーナリストとして参加し、九死に一生を得ています。

また、1996年のエベレスト大量遭難事故は映画にもなっている。

ジョン・クラカワーの「空へ-エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」と映画「エベレスト3D」。

あらためて「荒野へ」を読もうとしたきっかけ

into the wild 劇中シーン

読んだきっかけとしてはもちろん映画が大好きだからというのが理由です。

しかし正直に言ってイントゥ・ザ・ワイルド自体は見たのが4年ほど前であり、詳細に関しては特に覚えていない。

ただ、青年が自由を求めてアラスカを目指すというシンプルなストーリーに非常に感化されたのを記憶している。

また、バックパッカーとして一人で旅することが多い僕としては主人公と自分を重ね合わせてしまう部分が多くあった。(当時は大学生で若かったし)

そんなこともあってかこの映画は自分の中で非常に特別な存在だし、だからこそ心のなかに一種のしこりのようなものが残っていました。

そんな淀みのようなものが今回僕がこの本を購入して読み始めた理由かもしれない。

様々な視点からの考察

into_the_wild02

荒野へ」を購入して完読した率直な印象としてはとにかく内容が濃い。

そりゃあ映画のイントゥ・ザ・ワイルド本編は枠が2時間だからそれに比べれば濃くて当たり前じゃん?と言われればそうなのだが、映画版には確か主人公(クリス・マッカンドレス)の目線に立った話を主軸に構成されていた。

しかし原作では客観的に主人公と今までの冒険家の比較や、著者のジョン・クラカワーのクライマーとしての冒険談を通じた主人公の気持ちの理解など、クリス・マッカンドレスの物語が様々な視点から考察されていて非常に読んでいて示唆に富む。

ノンフィクション作品としての読み応え

イントゥザワイルド

また本の中にはクリスの日記や読んでいた本からの抜粋、さらには親族から旅中に関わった人まで様々な方々のインタビューを収録していてノンフィクション作品としても充分に読み応えがあります。

この作品の中では果たしてクリスは荒野で自殺したのか?それとも最後まで生き抜こうとしたのか?という部分が大きなテーマとなってきます。

著者もクリスと関わった人々も、一般の人々とは違って皆クリスは自殺するようなやつではなかったという見解が読んでいて非常に面白かったし共感できた。

特に「ドクトル・ジバコ」という本の中の一節の横に「幸福は分かち合えたものだけが、本物である」と書き綴られていたという部分では長い孤独な放浪生活の最後に彼は文明社会の一員になろうとしていた気持ちが見て取れた。

死の神秘への興味

into the wild 雪の中

また著者のジョン・クラカワーも冒険家であり、その中で死線を潜った体験談を作中で吐露しているがその中で

「アラスカ冒険旅行で私が生き残りマッカンドレスが命を落としたという事実はほとんど偶然にしか過ぎない。。私が氷冠から戻ってこなかったら死を望んでいたといううわさが飛び交っただろう。。だが死の衝動には駆られていなかった。。。ただ死すべき運命という謎めいた神秘には心を揺さぶられた。死の間際まで近づいていき崖っぷちから覗き込まずにはいられなかった。それは死の願望とは全く異なるものであった」

という記述があるが全く同感。

山登りでも、一人旅で治安が悪いところに行くのもそうだと思うが、常に危険が隣り合わせである。

【考察】山登りは人生の縮図だと思う。

でもまた危険に挑戦したくなる。しかも前の体験よりもより困難なものを目指したくなる。

それは死という神秘に少しでも近づいてみたいという好奇心がそうさせると思う。

かくいう自分自身も数年前になるがアメリカ大陸横断中に肺炎にかかり死にかけたことがある(日本に帰って手術し、1ヶ月間の入院生活を送った。医者にはあと1週間処置が遅れれば死んでいたと言われた)。

この経験で死んでいたら一人旅に共感を抱かない人々からしたら、なぜ自分は死に急いだのかと言われていたと思う。

でも自分は死ぬつもりで旅なんかしたことがないし、長生きしたい。

でもちょっぴり死に近づいてみたいと考えることはよくある。(今でも惹かれる。それがスリルというやつかもしれない)

おそらくクリスもそうだったと思うし死の神秘と、一人であるという自由が彼のアラスカでの生活を満足させていたのだと思う。

クリスマッカンドレスとバス

この写真はクリス・マッカンドレス本人だが、そうじゃないとこんなに幸せそうな顔はしていないと思う。

クリスマッカンドレス 最後

こちらはクリスの最後の写真。

顔は骸骨のようで餓死寸前だと思うけど、それでも顔には笑顔が浮かんでいるしとても自殺する人間には見えない。

ちなみにこの時に持っている紙は最後のメモで「僕の一生は幸せだった。ありがとう。さようなら。皆さんに神のご加護がありますように!」と書かれていたそうである。

改めて映画「イントゥ・ザ・ワイルド」を見なおしてみようと思った。

ちなみに妹のカリーン・マッカンドレスのWEBサイトも有ります。(英文)

参考 Carine McCandlessCarine McCandless

いつかクリスが亡くなったマジックバスを訪れてみたい。

その場所にたどり着いたとき、自分自身が何を思うのか?楽しみで仕方がない。


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